診断は難しい?【発達障害グレーゾーン】の特徴4選|ADHDやASDとの違いと対策3選

こんにちは。
今回は、発達障害グレーゾーン4つの特徴について解説していきます。

  • 仕事がうまくいかないけど、発達障害ではないと診断された・・・
  • 自分は、発達障害のグレーゾーンなんじゃないか・・・

と悩んでいませんか?
発達障害グレーゾーンとは、発達障害の診断はつかないが発達障害の傾向があると言われる人たちのことです。診断がつかない理由は、診断の基準を満たさないから。
しかし、グレーゾーンの方の中には、診断がつかないからこそ周りから理解されなかったり、自分自身のことがよくわからなくなってしまうこともあるでしょう。

そこで今回は、発達障害グレーゾーンの特徴4選をお伝えしていきます。
この記事を読むと、発達障害のグレーゾーンの特徴がわかります。
また、記事の後半では、グレーゾーンの人がどのように対策していくとよいか、僕なりの考えもお伝えしていきますので、最後まで読んでいってくださいね。

また、今回の記事の内容はこちらで動画解説もしています。
是非ご覧になってくださいね。

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なぜ診断がつかないのか?

発達障害は、ADHD(注意欠如多動性障害)、ASD(自閉症スペクトラム)、SLD(限局性学習障害)の3種類を特によく聞くと思います。
それぞれの大まかな特性は次のとおりです。

  • ADHD:不注意、多動性、衝動性
  • ASD:コミュニケーションの障害、想像力・こだわりの障害、社会性の障害
  • SLD:書字障害、読字障害、算数障害

これ以外にも、

  • 情報を一時保管するワーキングメモリの苦手さ
  • 相手の心の状態を推測する能力である心の理論の苦手さ
  • 様々な五感の刺激をとても強く感じてしまう感覚過敏
  • 感覚に対して鈍くなってしまう鈍麻

などが、発達障害の中でよくみられます。

知り合いの医師に聞いた話ですが、 発達障害の診断がつくかどうかは、これらの特性のうち、2つ以上の特性が見受けられるかどうかが基準になる そうです。
イメージとしては、ADHDの場合は、「不注意と多動性」や「不注意と衝動性」のように、2つの特性を併せ持っていればADHDの診断がつくし、不注意の特性だけだとADHDの診断がつかず、「ADHDの傾向がある」という結果になるということですね。

ASDの場合だと、「社会性の障害とコミュニケーションの障害」など2つの特性を併せ持っていれば診断がつくけど、一方で「こだわりの障害だけ」だと診断の基準が満たされずグレーゾーンという結果が出ると聞きました。

これ以外にも、幼少期の過ごし方や今の日常生活の困りごとなどから総合して診断されるようにも聞いたことがあります。また、今お伝えしたとおり、 発達障害とは、様々な情報を複合して診断がつくため、診断が難しかったり誤診も多いと言われている のが現状です。

発達障害のグレーゾーン 4選

発達障害のグレーゾーン4選 1:コミュニケーションの問題

1つ目は、 コミュニケーションの問題 です。
発達障害のグレーゾーンの方の中には、人と交流することや会話をすること、情報のやり取りをすることに苦手さを感じている方が多いです。
これらは主に、ASDの特性から来るものだと考えられますが、例えば情報を統合していくことに苦手さがあり、その影響で 会話の流れを理解することが苦手 だったり、一連の情報の流れから、なぜこの現状になったのか、ということを理解することが苦手だったりします。

また、心の理論の苦手さがあると、どのような表現で相手がどのように感じるかがわからず、結果、自分の思った通りの言葉で相手に伝えてしまい、それが失言になってしまうこともあるんですね。
非言語の情報を読み取ることが苦手だと、 相手のしぐさや表情から相手の心情を推測することができず、結果としていつの間にか相手に不快な思いをさせてしまったり 、そのことから人が離れて行ってしまったり、気づけば嫌われている状況になっていることもあったりします。

発達障害のグレーゾーン4選 2:集中力の問題

2つ目は、 集中力の問題 です。
これはADHDの不注意の特性に関連して現れる特徴だと考えることができます。
発達障害のグレーゾーンの中でも、ADHDの傾向がある場合、やるべき仕事があるのになかなか取り掛かることができず、先延ばしにしてしまったり、いざ取り掛かっても集中力が続かず、別のことを考えながら業務をしてしまい、なかなかはかどらなかったり、また、考え事をしているせいで、ミスが生じてしまうこともあるかと思います。

不注意の特性があると、 目に入ってくるものや耳に入ってくる情報によって、注意が逸れてしまう ことがあるんです。その結果、人の出入りや電話の音、周りの会話や大きな音などにもいちいち注意が向いてしまい、それが集中力が続かないことに繋がってしまうんですね。

一方で、不注意の特性の傾向がある場合は、過集中の症状も併せ持っているかもしれません。
過集中の特性があると、好きなことや得意なことには周りの音が耳に入らなくなるくらい集中して、長時間取り組むことができるという強みとなって働く 場合もありますね。

発達障害のグレーゾーン4選 3:計画性の問題

3つ目は、 計画性の問題 です。
これはASDの中の想像力の特性に関連していると考えることができますが、発達障害の方やグレーゾーンの方の中には、物事の計画を立てることやタスクを管理すること、または、何かに取り組む場合にその 必要時間の見通しを立てることやうまく物事を進めていくための段取りを組むことが苦手 だという方もよくいらっしゃいます。
また、優先順位の把握が苦手だという場合もありますね。

これらによって、計画を立てながら業務を進めていくことがうまくできず、結果として仕事が納期ギリギリになってしまったり、自分のタスクをうまく組み立てることができず、同じ仕事をやっているのに、人よりも時間がかかってしまうということに繋がってしまう方もいらっしゃいます。

また、 どの業務に誰が関連するかという想像がつかない場合だと、情報の共有に抜け漏れ があったり、報告や連絡をおろそかにしていると周りから見られることもあります。

発達障害のグレーゾーン4選 4:適応力の問題

4つ目は、 適応力の問題 です。
これは、ASDの中のこだわりの特性からくると考えることができます。
発達障害のグレーゾーンの方の中には、 状況の変化が苦手 だったり、作業手順の変更を受け入れることができないことがあります。
また、予定していることであれば、それに沿って進めていくことができるけど、予定外の予期しない状況に直面することで、とても大きなストレスを感じるんですね。この傾向が強いと周りから融通が利かないと思われたり、柔軟性がないと思われたりするでしょう。

しかしその一方で、何かにこだわる力につながる場合もあるので、 「好き」や「得意」に関することであれば、それをさらにこだわって、突き詰めて突き詰めて良い結果に繋がるように試行錯誤できたり 、細かいところまでこだわってやり抜くことができるという強みに繋がる場合もあります。

いかがでしたか?
ここまでは、発達障害のグレーゾン4選についてお伝えしました。

発達障害のグレーゾーンの対策 3選

次に、発達障害のグレーゾンの方が、どうすると良いか対策をお伝えします。

発達障害のグレーゾーンの対策 3選 1:自己肯定感を高めること

1つ目は、 自己肯定感を高めること です。
これは、自分自身を受け入れるとと捉えても大丈夫です。
発達障害のグレーゾーンの方は、これまで紹介してきたように、発達障害の診断基準は満たさないけど、その傾向があることから、それらに起因する失敗体験やうまくできない状況を感じてきた方も多いと思います。
また、グレーゾーンという、なんとも言えないはっきりしない状態に身をおかされている状況に、自分は障害があるのか?それとも障害がないのか?とか、障害がないとしても、なぜこんなにうまくできないのか?と葛藤を感じている方もいらっしゃるでしょう。

僕がお伝えしたいのは、障害の診断の有無に関わらず、 得意や不得意というものは人それぞれあります し、それに対する好きや嫌いは人それぞれあると思います。そしてあなたは、たまたまグレーゾーンと呼ばれる状態になっているかもしれませんが、誰でも苦手なことがいきなり得意に変わるということはあまりないと思いますし、できないことを努力してできるようにするのも、人一倍努力が必要で、大変で苦しい道のりになるでしょう。
そこで大事なのは、冒頭でお伝えした自分自身を受け入れることです。それはつまり、 できないことや苦手なこと、努力しても難しいことというのが自分にもあるんだということを受け入れること です。

発達障害のグレーゾーンの対策 3選 2:でること・得意を伸ばす

2つ目は、 自分ができること・得意なことを伸ばしていく です。
先ほどもお伝えしたとおり、障害の有無に関わらず、誰でも得意なこと・不得意なことがあり、それに対する好きとか嫌いの感じ方も人それぞれ違います。
発達障害の診断がついている人やグレーゾーンの方の中でも、特に過集中の傾向や強いこだわりの特性がある方の場合は、 好きなことでできることが見つかると、それに対して自分の能力を存分に発揮できる んです
過去の偉人や現在の有名人の中にも、発達障害を抱えている方がいるのは、この特性がうまく働いて、好きで得意なことに力を注ぐことができたからだと思います。

逆に言うと、障害のない人は、好きでも得意でもないことでも、ある程度できてしまいます。それが故に、生活のために働いたり、仕事が嫌だと言うことに繋がってしまっている方もいるでしょう。

好きでも得意でもないことは、それができる人たちや、逆にそれが得意だという人に任せて、 あなた自身は、あなたができること、あなたの好きなことを伸ばして、それを仕事に繋げることができれば、とても生きやすくなる と思いますよ。

発達障害のグレーゾーンの対策 3選 3:セカンドオピニオンを参考にする

3つ目は、 セカンドオピニオンを参考にする です。
グレーゾーンの方の中にも、白黒はっきりさせたい方や診断がついて服薬し、症状を緩和させていきたいという方もいらっしゃると思います。
これまでお伝えしたとおり、発達障害の診断は、誤診されることや医師も判断が難しいという場合が多いです。
また、1つ目に受診した病院では診断がつかなかったけど、2つ目に受診した病院では診断がついて、手帳を取得することができたというお話もよく聞きます。

大事なのは、 あなたが、診断自体が欲しいのか、それとも困りごとを減らしたいのか 、どちらなのかということです。もし、診断がついて薬を処方してもらいたい、手帳を取得したいという要望なら、別のクリニックや病院で相談することも良いと思いますよ。

まとめ

いかがでしたか?
今回は発達障害のグレーゾーンの特徴4選とその対策3選をそれぞれご紹介しました。
グレーゾーンの特徴4選は、

  • コミュニケーションの問題
  • 集中力の問題
  • 計画性の問題
  • 適応力の問題

グレーゾンの対策3選は、

  • 自己肯定感を高めること
  • できること・得意を伸ばす
  • セカンドオピニオンを参考にする

でしたね。

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ABOUT US
おとうふ
▶︎家族が発達障害当事者 ▶︎2015年にアメリカで心理学資格を取得 ▶︎チーズケーキが好き 今までに延5000名を超える発達障害当事者の方へ心の知識や特性理解、コミュニケーションスキルについて講義や個別相談をしてきました。 どんな人でも「自分自身と向き合い」「楽しく働き」「ちっぽけな自分を許し、愛せる」ことが大切だと考えています。