ADHDは理解力がない?!指示が伝わる話し方の特徴5選で「仕事ができない」を改善!

こんにちは。
今回はADHDの方へ伝わる話し方・会話の特徴5選というテーマで解説をしていきます。

突然ですが、こんなことってありませんか?

  1. いくつかの指示をまとめて受けると、抜け漏れが出る
  2. 周りの音や周囲の動きに注意が向いてしまう
  3. なかなか集中ができない
  4. 集中したときに、周りが見えなくなる
  5. 一度作業から離れると、再開したときにどこまでやったかわからなくなる
  6. 話を聞きながらメモができない
  7. 人の話を最後まで聞けない・じっとしていられない

どうでしょうかね。
これらの特徴があると、ミスが多かったり、抜け漏れがあって、どうしてこうなっちゃうんだろう?と感じる方もいらっしゃると思います。

発達障害は、大きく3つの診断名がありますが、ASDの方とADHDの方とでは、対応の仕方が異なります。
しかし、ASDとADHDの違いを意識しながら、関われているという人はそこまでいないでしょう。
同じ発達障害という診断でも、違いを捉えて伝えることでより伝わりやすくすることができます。

そこで今回は、ADHDの方へ伝わる話し方・会話の特徴5選というテーマで解説をしていきます。この記事を読むと、ADHDの方へ向けた伝わる話し方がわかります。
記事の後半では、より伝わりやすくなる工夫について3つお伝えしますので、最後まで読んでいってくださいね。

また、今回の記事の内容はこちらで動画解説もしています。
是非ご覧になってくださいね。

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【ADHD】障害の特性

まず初めに、冒頭の7つの項目とADHDの障害特性についての解説です。
ADHD(注意欠如多動性障害)の特性は、大きく次の3つにわかれます。

  1. 不注意
  2. 多動性
  3. 衝動性

これらの3つが大きな特性であり、その度合いや頻度は人それぞれ違いますので、同じ診断名でも困り事は人それぞれ違います。また、これらの3つの特性の他にも、ワーキングメモリの苦手さというのが同時にある方も多いです。

ワーキングメモリとは、情報の一時保管・処理・削除を行っていく脳の機能のこと です。このワーキングメモリが苦手な場合、冒頭に紹介した

  • いくつかの指示をまとめて受けると抜け漏れが出る
  • 一度作業から離れると、再開したときにどこまでやったかわからなくなる
  • 話を聞きながらメモができない

といった困り事がよく現れます。

また、不注意の特性が強いと

  • 周りの音や周囲の動きに注意が向いてしまう
  • 集中したときに、周りが見えなくなる
  • なかなか集中ができない

といった困り事が現れやすいです。

そして、衝動性・多動性の特性が強いと

  • 人の話を最後まで聞けない
  • じっとしていられない
  • 会話に割って入ってしまう

といった困り事が現れやすいと言われていますね。

【ADHD】伝わる話し方・会話の特徴5選

それでは早速、ADHDの方へ伝わる話し方・会話の特徴5選を紹介していきます。

【ADHD】伝わる話し方・会話の特徴1:周囲の刺激が少ない場所で話す

1つ目は、 周囲の刺激が少ない場所で話です。
ADHDの方で不注意の特性があると、周りの動きや音につい注意が向いてしまうということが起こります。

周囲の刺激というと、例えばスーパーです。様々なお客様が右へ左へお買い物で移動しますよね。そういった状況の中で話を伝えようとすると、あなたではなく、周りにいるお客様につい目がいってしまって、集中できないまま指示内容を聞くことになってしまいます。

また、音の刺激で言うと、事務職のような環境であったとしても、周りの同僚の会話だったり、電話の話し声だったり、パソコンの入力音やラジオの音なんかが気になって、指示内容に集中できなくなってしまうということが起こり得るかと思います。

このように、特に視覚や聴覚に刺激が多い環境だと注意が逸れてしまうことに繋がり、指示内容が入ってこなくなってしまうんですね。
なので、 少し静かな環境で伝えたり、人が少ないところで伝えるとわかりやすくなる かもしれません。

【ADHD】伝わる話し方・会話の特徴2:話題のテーマを書く

2つ目は、 何の話題について話しているか、テーマを書く です。
これはASDの方へ伝わる話し方の特徴でも紹介しました。

ADHDの方の中でも、ワーキングメモリに苦手さがある場合、何について話しているかが抜けてしまうことがあります。
特に、 指示内容が長くなったり、複数の作業内容をまとめて指示すると、その内容に抜け漏れが発生しやすくなる んです。
ですので、話し合うテーマが決まっている場合は、 テーマはもちろん、目的や目標というのも明示した上で話し合うと、より伝わりやすくなる でしょう。

【ADHD】伝わる話し方・会話の特徴3:メモを促し・書けるまで待つ

3つ目は、 メモを促し、メモが書けるまで待つ です。
こちらは、ワーキングメモリが苦手な方へ向けて行うと良い方法です。

情報を一時保管・処理・削除する脳機能のワーキングメモリですが、これが苦手だと、言われた内容を一時保管しながら、メモをするという処理を同時に行うのが難しくなってしまいます。

また、人によっては、この指示内容をメモした方がいいという判断ができないこともあります。
なので、 メモして欲しい内容はメモしてほしいことをはっきりと伝え、そして伝えた後は、メモが書き終わるまで待ち、メモが終わってからまた次の内容を伝えるという伝え方をした方がわかりやすい です。

【ADHD】伝わる話し方・会話の特徴4:復唱してもらう

4つ目は、 復唱してもらう です。
何かを指示したときに、「わかりましたか?」と聞くと、わからないことがあっても、質問して良いのかがわからず、その結果、「わかりました」と返事をしてしまったり、あるいは衝動的に「わかりました」と返事をしていることがあります。
なので、何か指示を伝えたときには、 何をすればよいと理解したのかを自分の口で言ってもらう と、もし抜け漏れが発生していたら、そのときに、あとこれもやってねと伝えることができますね。

【ADHD】伝わる話し方・会話の特徴5:定期的に業務手順の見直し

5つ目は、 定期的に業務手順の見直しをしてもらう です。
ADHDの方の中で、ワーキングメモリに苦手さがある方だと、いつもやっていることだとしても手順を忘れたり、抜け漏れが発生してしまうことが起こります。
なので、毎日行うような慣れた作業だとしても、それが重要な仕事である場合は、 定期的にどのような手順で行うか見直しをしてもらった方が、抜け漏れなく安定して働いていくことに繋がる と思います。

いかがだったでしょうか?
ここまではADHDの方へ伝わる話し方・会話の特徴5選についてお伝えしました。

【ADHD】伝わる話し方 レベルアップ3選

ここからは、さらにできる3つの工夫についてお伝えしていきます。

【ADHD】伝わる話し方 レベルアップ1:チェックリストの作成

1つ目は、 チェックリストを作成する です。
不注意の特性や、ワーキングメモリの苦手さがあると、慣れている業務だとしても、抜け漏れが発生しやすくなってしまいます。 忘れ物やケアレスミスが多い というのも、不注意の特性がある方には多いです。

そこで、この業務は行ったか、この基準に到達しているかという抜けてはいけない項目をチェックしていくチェックリストがあることで、抜け漏れを減らすことに繋がると思います。

【ADHD】伝わる話し方 レベルアップ2:締切は早め・途中報告日を設定する

2つ目は、 締め切りは早めの期日で指定する です。
これは期日を早めにするというのでもいいですし、途中経過の報告日を設定するというのでもいいでしょう。ADHDの方の中には、 やるべきことを先延ばしにするという傾向 がある方もいます。

この傾向があると、例えば、締め切りがあるものはギリギリなってから着手し始めたり、学生時代だと、夏休みの宿題を夏休みの最後に、猛スパートをかけて取り組むということをしていた方も多いと思います。

なので、中間報告日や期日を前倒しにしておくことで、万が一締め切りに間に合いそうにないことが発生した場合でも、リカバリーしやすくなるでしょう。

ちなみに僕は、ギリギリで夏休みの宿題をするどころか、提出をしないでやり過ごしたということがあります。結果めちゃくちゃ怒られた上に、評価にも影響が出たので、やっぱり締め切りって大事ですよね。

【ADHD】伝わる話し方 レベルアップ3:スケジュールを共有

3つ目は スケジュールを共有する です。
ADHDの方の中には、効率的な段取りを組んだり、スケジューリングをすることの苦手さがあるという方も中にはいらっしゃいます。

ASDの方の場合だと、1日の流れを、時間の構造化をして、視覚化するといいことをお伝えしたのですが、ADHDの方の場合は、それよりも長い、数日ある場合のスケジューリングですね。

例えば1週間後締め切りだったり、1ヶ月後締め切りがある場合に、 いつ頃から着手し、いつ頃までにどれぐらい完成していると締め切りには間に合いそうだという見立てのスケジューリングを共有 できていると、今の進捗状況が間に合いそうかどうかがわかりやすくなり、期日が過ぎてしまうことが減ると思います。
期日を守るって大事ですよね。

いかがだったでしょうか、意識して実践できているものはありましたでしょうか?

まとめ

今回は、ADHDの方へ伝わる話し方・会話の特徴5選というテーマで解説をしました。

  1. 周囲の刺激が少ない場所で話す
  2. 何の話題について話しているか
  3. メモを促し、メモが書けるまで待つ
  4. 復唱してもらう
  5. 定期的に業務手順を見直してもらう

という5つについてお伝えしました。
また、更にできる工夫としては、

  1. チェックリストを作成すること
  2. 早めの期日で指定すること
  3. スケジュールを共有すること

の3つをお伝えしましたね。

あなたにとって無理のない範囲で取り組んでみてほしいですし、あなたが当事者の場合は、上司の方へ確認ができるといいと思います。

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おとうふ
▶︎家族が発達障害当事者 ▶︎2015年にアメリカで心理学資格を取得 ▶︎チーズケーキが好き 今までに延5000名を超える発達障害当事者の方へ心の知識や特性理解、コミュニケーションスキルについて講義や個別相談をしてきました。 どんな人でも「自分自身と向き合い」「楽しく働き」「ちっぽけな自分を許し、愛せる」ことが大切だと考えています。