【大人の発達障害:ADHD】職場・仕事でのミスの特徴?!9つのセルフチェック

こんにちは。
今回はADHD仕事の特徴、9つのセルフチェックというテーマでお話をしていきます。
仕事をする中で、

  • 自分では問題ないと思うけど、周りから注意されてばかり・・・
  • 間違っていると言われることが多いな・・・

という方もいらっしゃるかと思います。

また、

職場の同僚が失敗を繰り返しているんだけど、本人に自覚がないから困っているんだよね・・・

と考えている方もいるかもしれません。

発達障害という言葉は、1970年代に日本で使われ始めるようになりましたが、最近になって、大人になってから発達障害であることに気がつく 大人の発達障害 と呼ばれる方が増えてきています。

大人の発達障害の場合、学生時代は支障がなかったのに、 社会人になって問題が増えてしまい、自己肯定感が下がったり、転職を繰り返すということが多い です。

そこで今回は、ADHD仕事の特徴、9つのセルフチェックというテーマでお話しします。
この記事を読むと、ADHDの傾向に当てはまるかがわかります。
記事の後半では、悩んでいる場合、どうすればいいかについてもお話ししますので、ぜひ最後まで読んでいってください。

また、今回の記事の内容はこちらで動画解説もしています。
是非ご覧になってくださいね。

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大人の発達障害とは大人になってから発達障害と診断されること

まずはじめに、大人の発達障害についてお話しします。

大人になってから発達障害の診断がつく“大人の発達障害”というのが増えていますが、これは 先天的にあった発達障害に、大人になってから診断がついた ということです。
発達障害は先天的なものなので、実は幼少期から何らかの症状が出ていたりします。しかし、学業には問題がなかったり、自分自身であまり困ることがなかったという方が、大人になってから、仕事を通じて困るようになるという場合が多いです。

なぜこのようなことになるかというと、学生に求められていることは、勉強の成績だからだと思います。そして、発達障害の方は勉強をするためのIQには問題がないという方も多いです。
また、学生のうちは友達と一緒に遊ぶということもありますが、寛容な友人が多い場合や、逆に友達がいなくても困らないという方は、勉強さえできていれば、特に困ることがないということになるんですね。

働くようになると、自分が担当する仕事でも、他の人の協力や確認が必要なことも多いです。そういった中で、特性により仕事に遅れが出て、うまくいかないことが増えたり、今まで人と関わってこなかったけど、人とか関わらざるを得ないことで、うまくいかないことが増えたりします。

発達障害とは、ADHD(注意欠如・多動性障害)、ASD(自閉症スペクトラム)、SLD(限局性学習障害)のこと です。
SLDに関しては、文字が読めなかったり書けなかったりするので、学生のうちに気づくことが多いです。
しかし、ADHDとASDは、本人が気づかずに大人になるということも多いです。

先ほど言ったように、本来は先天性の障害ですので、幼少期の頃から症状が出ていても、周りの人間関係が良好だったり、学業には問題がなかったり、先生と学生ということでサポートしてくれる方たちがいたりすることで、見落とされて過ごしてきたという可能性が考えられています。

大人の発達障害:ADHDの診断と治療

次に、診断方法と治療についてお話しします。

大人の発達障害:ADHDの診断

発達障害は、児童精神科、精神科、心療内科のいずれかで診断がつきます。通院先の中には発達障害の診断ができないという場合もありますので、 予約の際に発達障害の傾向があるが、診断ができるかどうかというのを確認するといい と思います。
また、精神科や心療内科は予約が多く、最初の通院まで数ヶ月待つようなクリニックも多いです。早めに診断してほしい場合は、複数箇所に電話をして予約が空いているところを探すと良いと思います。

予約ができたら診察を受けます。
診察では、

  • 今までどのように過ごしてきたかという成育歴
  • 現在どのような生活をしているかという生活歴
  • 今までにかかった身体疾患・精神疾患に関する既往歴

について診察をしていきます。成育歴と生活歴で幼少期から症状があったものなのか、それとも大人になってから身についたものなのかの差を聞き取ることが多いようです。

何度か診察をしたら、心理検査をすることもあります。この検査を受けると、自分の特徴を知ることができます。発達障害の方は得意と苦手の差が大きく出るのが特徴なので、検査をすることによって差があるかどうかが明確になります。
検査の中で有名なものはWAIS(ウェイス)と呼ばれるもので、検査費用は1万円から2万円が一般的です。

これらを踏まえて、結果が出ますが、 発達障害は基準が曖昧で、精神科や心療内科によって発達障害ではないと判断されたり、2ヶ所から3ヶ所病院を回って診断がつくということもあります。

大人の発達障害:ADHDの治療

次に治療についてですが、 発達障害は、現在の医学では完全に治すことはできない とされています。

ただし、 ADHDの症状については、薬によって不注意や多動性の症状を抑える効果があるものも出ています
薬は体に合う・合わないというのもありますので、気になる方は、医師と相談して、少しずつ試していくのがいいと思います。

ADHD仕事の特徴 9つのセルフチェック

それでは、ADHDの方が仕事をする上でどのような特徴があるか、9つ紹介していきますので、ぜひ、当てはまる個数を数えながら読んでいってください。

ADHD仕事の特徴 チェック1:順序立てるのが苦手

1つ目は、順序立てて仕事を行うのが苦手です。
ADHDの特性として、 衝動性が強い一方で、見通しを立てることが苦手な傾向 があります。

見通しを立てることが苦手なことで起きる問題としては、効率よく仕事ができなかったり、段取りが組めないということです。
よくあるのは、今やらなければいけない仕事については把握できているけど、1ヶ月後や、1週間後にどのような予定があり、そのためにどのような準備をしていかなければいけないのかが把握できていないということが多いです。

また、 先延ばし傾向も同時にある場合 もあります。
この場合、やることが明確じゃないことから、とりあえずいつもの仕事をいつも通りやっておくというように過ごしてしまうこともあります。
これによって、長期で行う仕事や仕事の合間で行うような同時並行の仕事の納期が過ぎたり、提出が遅れたりしてしまいます。

ADHD仕事の特徴 チェック2:自分に合う仕事がわからない

2つ目は、自分に合った仕事や職場環境がわからないです。

ADHDの特性として、衝動性と多動性というのがありますが、この2点から、 自己分析をあまりせずに就職活動をしてしまう ということがあります。
また、 自分の行動や考えや感情を自分で観察するセルフモニタリングという力に苦手さ があることがあります。

その場合、そもそも自分自身が今までどのようなことを、どのような考えで行ったか、その結果どうなったか、ということをあまり感じてこなかった可能性があるので、自己分析に時間がかかる場合もあります。
ですので、自己分析だけではなくて、 他者評価や心理検査などの結果もあわせて、自分自身を理解するといい と思います。

ADHD仕事の特徴 チェック3:失言をしてしまう

3つ目は、失言をしてしまうです。

ADHDの特性として衝動性というのがありますが、これによって頭の中で思ったことが、つい言葉に出てしまうということがあります。また、 人の気持ちもわかりにくいという特性 も併せ持つこともあります。
その場合に、失言してしまったことに、自分で気づかないということにもなりますね。

ちなみにですが、この衝動的に行ってしまう特性については、 発言をする前に一呼吸おいて、発言内容を少し考えてから話すようにする 、という方法で対策ができる方がいたりします。

ADHD仕事の特徴 チェック4:忘れ物・ケアレスミスが多い

4つ目は、忘れ物やケアレスミスが多いです。

ADHDの不注意の特性によって、必要なものを忘れたり、何かをし忘れたりしてしまいます。

例えば、机の上に持って行くものを用意はしたんだけど、出かけるときに、その用意したものに気づかずに出発してしまうといったことが発生します。
また、必要書類の記入箇所がずれたり、記入すること自体を忘れてしまうといったことが発生したりします。

忘れ物に対しては、 チェックリストなどで必要な物事を確認 したりしている方が多いと思います。また、ケアレスミスについては、 予定の確認や指差しなどにより確認 をすることで防ぐことができる方が多いと思います。

ADHD仕事の特徴 チェック5:同時並行すると抜け漏れ

5つ目は、複数の仕事が同時並行すると、抜け漏れが発生するです。

これは 情報の一時保管処理判断をする機能であるワーキングメモリの苦手さ からくると考えられます。
また、衝動性も相まって、仕事の途中で別の仕事に手をつけてしまうということもあります。
結果、中途半端な仕事になったり、やりかけのまま放置になってしまうといったこともあるかと思います。

ワーキングメモリの苦手さについては、周りの理解と協力があることが望ましいです。
例えば、 一つ仕事が終わったら、次の仕事に移るようにしたり、全体の仕事の流れが把握できるような工夫 があると、ミスを減らすことができます。

ADHD仕事の特徴 チェック6:集中ができない・集中しすぎる

6つ目は集中できない、集中しすぎるです。

これは不注意の特性からくると考えられます。
すべき作業があったとしても、別のものに意識が向いてしまう などしてしまいます。

例えば、パソコンで作業をしていても、趣味であるゲームのことが気になって、ネットサーフィンをしてしまったり、朝礼や研修など全体に話されるときに上の空になってしまったりします。

また、逆に集中しすぎてしまう 過集中になってしまうこともあります
過集中になると、意識が他のものへ向きづらくなるため、声をかけても気づかず、作業に没頭していたり、気づけば何時間も過ぎているといったことが起きます。

ADHD仕事の特徴 チェック7:整理整頓ができない

7つ目は整理整頓ができないです。

これはいくつかの原因が考えられますが、中でも 優先順位をつけるのが苦手 という場合があります。

優先順位が苦手なことで何が起きるかというと、古くなった資料や昔使ったもので、今はもう使わないものだとしても、

  • まだ使うかもしれない
  • 捨てていいのかわからない

となってしまい、捨てられずにどんどん物が増えていきます。
机の引き出しやファイルがパンパンになっていきますね。

また、 空間認識が苦手で、元の場所に戻すのが苦手 ということもあったりします。

ADHD仕事の特徴 チェック8:身だしなみの乱れ

8つ目は、身だしなみが乱れていることがあるです。

男性だとわかりやすいのですが、ネクタイが曲がっている、シャツが出ている、チャックが開いているなどしていたりします。

不注意により、自分の身だしなみについて目に入っていても気づかない ことから、このようになってしまうと考えられています。

ADHD仕事の特徴 チェック9:しゃべりすぎる・早口

9つ目は、しゃべりすぎる・早口で話すです。

これは様々な特性があり得るのですが、中でも 多動の特性から思考がどんどん湧き上がってくる ということが考えられます。

また、しゃべり過ぎることについては 不注意の特性から、相手が会話を止めたい素振りに気づかない ということがあると思います。
周囲の状況に気づけず、シーンとしているような大きな音を立てるべきではないところでも、通常の声で話してしまうといったこともあったりします。

以上がADHDの方の仕事の特徴、9つのセルフチェックです。
当てはまるものはありましたか?

大人の発達障害かもしれない・・・どうしたらいい?

それでは最後に、大人の発達障害かもしれないと思ったときにどうしたらいいか、僕の個人的な考えをお伝えするので、何かの参考になればいいなと思います。

診断がついてほしいかどうか考えを整理

1つ目は、 診断がついてほしいのかどうか、考えを整理すること です。

発達障害の診断がついた形の中には、診断がついて安心したという人も多いですが、その一方で落ち込んだという人もいます。
病院やクリニックで受診をする前に、

  • もし診断がついたら、どのような気持ちになるかなぁ・・・
  • 診断がつくことを望んでいるのかなぁ・・・
  • 診断がつくことで、私は何を望んでいるんだろう・・・

などを事前に考えておくといいと思います。

障害者手帳について調べる

2つ目は、 障害者手帳のメリットやデメリットを調べる です。

発達障害の診断がつくと、精神障害者福祉手帳を取得できることがあります。
障害者手帳を取ることで、様々な福祉的サービスを受けたり、民間のサービスでも割引制度があったりします。

しかし、これらについて知らなかったり、診断はついているけど手帳を取得していないという方も多いです。
ですので、障害者手帳があると、どのようなメリットやデメリットがあるか、自分はもし診断がついたら取得したいかどうかを考えておくといいと思います。

まとめ

それでは今回のまとめです。
今回は、ADHD仕事の特徴、9つのセルフチェックというテーマでお話をしました。
項目として、

  1. 順序立てるのが苦手
  2. 自分に合う仕事がわからない
  3. 失言をしてしまう
  4. 忘れ物・ケアレスミスが多い
  5. 同時並行すると抜け漏れが発生する
  6. 集中できない・集中しすぎる
  7. 整理整頓ができない
  8. 身だしなみの乱れ
  9. しゃべりすぎる・早口

の9個を紹介しました。
当てはまるものはありましたでしょうか?

そして、発達障害の診断をするための受診をする前の案として、

  1. 診断がついてほしいかどうか、考えを整理すること
  2. 障害者手帳について調べること

を紹介しました。

もし今回のチェック項目で当てはまるものが多く、お近くに相談できる機関があることで安心ができるなど、ご自身に必要性があるのであれば受診をしてみるのもいいかもしれません。

僕が紹介している内容があなたやあなたの身近な人の理解に繋がり、穏やかに日々を過ごせるようになることを応援していますね!

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おとうふ
▶︎家族が発達障害当事者 ▶︎2015年にアメリカで心理学資格を取得 ▶︎チーズケーキが好き 今までに延5000名を超える発達障害当事者の方へ心の知識や特性理解、コミュニケーションスキルについて講義や個別相談をしてきました。 どんな人でも「自分自身と向き合い」「楽しく働き」「ちっぽけな自分を許し、愛せる」ことが大切だと考えています。