こんにちは。
今回は、ASDの可能性がわかる心理検査3選というテーマで解説していきます。
と感じている方もいるかもしれません。
ASDは、コミュニケーションの障害や、人に共感することに苦手さがあったりして、学業では問題がなくても、 社会人になってから苦労する方も多い発達障害 です。
もしそういった状況が続くと、中にはうつ病や適応障害などと言った、二次障害につながる可能性もありますので、もし生きづらさを感じている場合は、早めに対処方法が見つかることが望ましいです。
今回は、ASDの可能性がわかる心理検査3選を紹介していきます。
今回の記事を読むことで、ASDかどうか、簡易的ですがチェックすることができます。
また、ASDの方は、どのように苦手さを克服することができるか、ということについてお伝えしていきますので、最後までご覧になっていってください。
また、今回の記事の内容はこちらから動画で視聴することも可能です。
是非ご覧になってくださいね。
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Contents
ASDの方が苦手な「心の理論」とは?
「心の理論」とは、他者の心を類推し、理解する能力 と言われています。
誤解を恐れずにすごく簡単に言うと、「他人の心を想像する力」とも言うことができます。
ASD(自閉症スペクトラム)の障害があると、この能力に苦手さが生じているという方が多い です。心の理論が苦手だと、相手がどのように考えたり、感じたりしているかが想像できないことから、相手の立場になって考えることが難しくなってしまいます。
その結果、自分ができることを相手もできるだろうと考えてしまうことがあり、そうなると、自分の意見ややり方を押し付けたりすることにつながります。
心の理論を持っているかは、誤信念課題というものが解けるかどうかでテストすることが可能です。
誤信念課題とは、簡単に言うと、相手の視点から見てどう思うかを理解する力があるかどうかを確認するテストです。
問題にもよりますが、簡単なものは5歳以上の子供がこれらの課題に通過することができると言われています。
今回の記事では、3つの誤信念課題を用意しました。
- 一次的誤信念課題:「Aさんは○○と思っている」という視点を持てるか
- 二次的誤信念課題:「Aさんはこう思っているとBさんは思っている」
- 社会的失言検出課題:人気関係の中の「気まずさ」や「失言」についてわかるかどうか
答えが合っているかどうか、ラクな気持ちで取り組んでみてくださいね。
3つの誤信念課題 問題
実際の課題を解いてみましょう。
先に問題を3つお伝えしますので、あなたが思う答えをメモなどに残しておくと、あとから答え合わせがしやすくなると思います。
一次的誤信念課題 マクシ課題
マクシとお母さんは買い物から帰ってきて、荷物を片付けています。
マクシはチョコレートを緑の棚に入れ、外に遊びに行きました。
その間、お母さんは片付けを続けています。
お母さんは、マクシが緑の棚に入れたチョコレートを取り出し、青の棚に片付け直しました。
そしてお母さんは、卵を買い忘れたことに気づき、出かけました。
一方、マクシは外から帰宅。
マクシは、チョコレートがどこにあると思っているでしょう?
あなたが思う答えをメモしておいてください。
二次的誤信念課題 アイスクリーム課題
ジョンとメアリーは公園にいます。公園には、アイスクリーム屋さんの車も来ていました。
メアリーはお金を持っていなかったので、アイスクリームが買えませんでした。
アイスクリーム屋さんは、午後も同じ公園にいると言うので、メアリーはお金を取りに戻りました。
しばらくして、アイスクリーム屋さんは「教会に行く」とジョンに伝え、去って行きました。
その途中、メアリーの家の前を通ったアイスクリーム屋さんは、メアリーに教会に行くことを伝えました。
しばらくして自宅に戻ったジョンは、宿題のことで聞きたいことがあり、メアリーの家に向かいましたが、メアリーはすでにアイスクリームを買いに出かけていました。ジョンはメアリーを追いかけて行きました。
さて、ジョンはメアリーが、どこに行ったと思っているでしょうか?
答えをメモしてください。
社会的失言検出課題
この課題は、問題を読んだ後に、次の3つの質問をします。
- 気まづいことや言うべきではないことを言った人はいますか?
- 気まづいことを言った人は誰ですか?
- なぜ、それを言うべきではなかったのでしょう?
これらの回答があるかどうかを、問題文を読んで考えてみてください。
問題は、次のとおりです。
サトシは新しい服を買いにお店に来ました。
洋服を見ていると良さそうなパンツ(ズボン)がありました。
Lサイズのパンツ(ズボン)を持ち、店員に試着して良いかを確認しました。
すると店員は服のサイズとサトシを見て
「こちらのパンツ(ズボン)は通常よりも細身の作りでデザインされていますので、普段よりも1サイズ大きいものを選ぶ方が良いと思います」
と答えました。
この問題に対する質問の回答をメモしておいてください。
3つの誤信念課題 答え
一次的誤信念課題 マクシ課題
問題:マクシはチョコレートがどこにあると思っているでしょう?
答え:緑の棚
理由は、お母さんが青い棚に移動させたが、マクシはそれを知らないから。マクシは自分が入れた緑の棚に入っていると思っているというのが回答になります。
二次的誤信念課題 アイスクリーム課題
問題:ジョンはメアリーがどこに行ったと思っているでしょうか?
答え:公園に行ったと思っている。
理由は、アイスクリーム屋さんはメアリーの家の前を通った時に、教会に行くことを伝えていますが、ジョンはそのことを知らないからです。なので、ジョンはメアリーが、「アイスクリーム屋さんは午後も同じ公園にいる」ことしか知らないと思っているので、メアリーはアイスクリームを買いに公園に行ったと、ジョンは思っていると予想することができます。
社会的失言検出課題
問題:気まづいことを言った人はいますか?
答え:いる
問題:気まづいことを言った人は誰ですか?
答え:店員
問題:なぜ、それを言うべきではなかったのでしょうか?
答え:暗にパンツを履けないと伝わってしまうから
いかがでしたか?
以上、3つの誤信念課題とその回答をご紹介しました。
「心の理論」を改善する方法
「心の理論」を改善する方法を1つご紹介します。
それは、 ソーシャルスキルトレーニング(SST)を勉強する です。
ソーシャルスキルとは、社会生活や対人関係を良好に保ちながら過ごしていくための技術のことを言います。ソーシャルスキルには、相手の気持ちを汲み取ったり、共感している姿勢を示すなどの技術が求められるので、ASDの方にとっては、すぐに身につけるには難しさがあります。
しかし、 ソーシャルスキルも、「スキル」と名がつくとおり「技術」なので、練習することで身に付けていくことが可能 です。
ソーシャルスキルトレーニングでは、
- 人に何かをお願いするときの伝え方
- 人のお願いを断るときの伝え方
- 自分の考えを相手を尊重しながら伝えるには、どんなことを伝えるとわかりやすいのか
といったことなどについて、想定される場面や実際にあった体験談を例題にして検討することを行います。
あなたがもし、人にお願いすることが苦手だったり、断ることが苦手だった場合には、このトレーニングを受けられる所を探してみるといいかもしれません。
まとめ
いかがでしたか?
今回はASDの可能性がわかる心理検査3選として、3つの誤信念課題をご紹介しました。
ただ、結果はあくまでも診断するをするものではありません。
もしも悩みや、生きづらさを感じている場合は、精神科や心療内科などの医師に相談するようにしてください。
また、「心の理論」を改善していく方法として、ソーシャルスキルトレーニング(SST)を行うと改善される可能性があることをお伝えしました。
あなたにとって無理ない範囲で取り入れて欲しいです。
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