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【ADHD/ASD】発達障害の辛い悩み・・・考え方の特徴9選と認知行動療法による改善

落ち込むのは、心の癖が原因です。
今回は、発達障害の考え方の特徴9選というテーマで解説をしていきます。

嫌な気持ちになったり、落ち込んだりすることが多い・・・
これって発達障害のせいかな・・・?

と疑問に思っている人はいませんか?

障害の有無に関わらず、 考え方には癖がある と言われています。
嫌な気分というのは、その考え方によって生まれると言われています。
しかし、 発達障害と相まって、その考え方の癖が強くなる ということはあまり知られていません。

そこで今回は、発達障害の考え方の特徴9選というテーマでお話をしていきます。
この記事を読むと、障害の有無に関わらず、ネガティブな気持ちになるときの考え方の癖がわかります。
また、記事の後半では、気持ちを切り替える方法についても簡単にお伝えしていきますので、参考になれば嬉しいです。

また、今回の記事の内容はこちらで動画解説もしています。
是非ご覧になってくださいね。

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気持ちは考え方次第

まず初めに、嫌な気持ちは考え方から来るということについてお伝えします。
誰しも嫌な気持ちになることはあると思うんですが、その気持ちが生まれる原因は、 何についてどのように考えるか、その考え方によって生まれるのが「気持ち」です。

例えば、会社で何か重要な仕事を任されたとします。
この場合、ある人は

重要な仕事を任されたということは、自分は期待されているんだ。
この仕事がうまくいけば、昇給や昇格に繋がるかもしれない。

と、成功する未来や、うまくいった結果について想像するかもしれません。

しかし一方で、ある人は

重要な仕事だから、絶対にミスができない。
もし間違いでもしたら、会社に多大な損害を出してしまう・・・

と、失敗やミスができない重圧感というようなものを感じるかもしれませんね。

このように出来事としては、重要な仕事を会社から任された、という 同じ出来事だとしても、その出来事に出くわしたときに、どのように考えるかによって起きる感情が異なります。

嫌な気持ちを生み出す考え方と発達障害との関係

次に、嫌な気持ちを生み出す考え方と発達障害の関係についてのお話です。
発達障害の中でも、ADHDで注意散漫になったり、逆に注意が集中するのが不注意の特性です。この特性があると、いくつかの情報がある中の、 自分が気になった部分だけに注意がいってしまう可能性 があります。

例えば、会社の会議で新しい企画を発表したときに、それに対する意見として①否定的な案、②楽観的な案、③それらを合わせた現実的な案の3種類の意見が出ました。
しかし、不注意の特性によって、最初に出た否定的な案だけに注意がいってしまい、他の案が耳に入って来ず、否定的な情報だけに意識が向いてしまうことが起こり得ます。

また、ASD(自閉症スペクトラム)の場合だと、曖昧さについて考えるのが苦手だったり、こだわりが出てしまうことがあります。

例えば「パソコン操作はできますか?」と聞かれたときに、

オフィスソフトの基本的なことはできるけど、マクロやVBAは使えないな・・・

などをいろいろ考えてしまう。結果的に「自分はあまりできません」と答えるなど、曖昧な状況の中で、偏った回答をすることがあります。

また、どちらの診断においても、人によっては学生生活や社会人経験の中で、失敗体験が重なってしまったことによって、自己肯定感が低かったり、自信を失っているという方も多いです。
ここまでは、考え方と気持ちの関係や発達障害との関係についてお伝えしました。

発達障害 考え方の特徴9選

ここからは、発達障害の考え方の特徴9選についてお伝えしていきます。

発達障害 考え方の特徴9選 1:完璧主義

1つ目は、 完璧主義 です。
これは、物事を白か黒、0か100など、両極端で考えようとする傾向のことです。

この傾向があると、例えばテストで90点を取ったとしても、取れていない10点のことについて、とても悔やんだり、あるいは間違いがあるのなら、他の点数と大差はないといったように、小さなミスでさえ、気に入らなくなるという傾向があります。

様々なことに対して、 完璧かそうでないかという見方をするので、自分自身に対しても同じ見方をした場合、何か少しでも自分に不満があると自信を失ったり、行動できなかったりします。

発達障害 考え方の特徴9選 2:過度の一般化

2つ目は、 過度の一般化 です。
一般化とは、1つや2つなど数回起こった結果や出来事に対して、今後も全てそうなるだろうと思い込む傾向 です。

例えば、恋人に浮気されたことが何度か続いたときに、男性は、または女性は浮気をするものだと考えてしまいます。
浮気自体は、たまたまその当時付き合っていた恋人が行った出来事だとしても、まるで全ての男性または全ての女性がそのような行動をするというように、特定の誰かではなく、今後の全てや抽象化した表現で、全てこうなると思い込んでしまいます。

・・・僕は浮気したことないんですけどね(笑)

発達障害 考え方の特徴9選 3:心のフィルター

3つ目は、 心のフィルター です。
物事にはどのようなことでもプラスの側面もあれば、マイナスの側面もあります。
しかし、 この特性がある場合に陥るのが、物事の悪い面にばかり目がいってしまい、マイナスだけが見えてくるという思考パターン です。

例えば、特に予定のない休みの日に朝7時に起きる予定だったけど、8時に目が覚めたとします。このときに悪い側面からは、1時間できることが減ってしまったと見えますが、良い側面からは、たっぷりと休むことができたと見えますよね。

しかし、心のフィルターの傾向が強いと、失った1時間という悪い側面だけに焦点が行ってしまい、その後も遅く起きたことを後悔したり、1時間あれば洗濯や掃除もできたのにと悔やんだりします。

発達障害 考え方の特徴9選 4:マイナス思考

4つ目は、 マイナス思考 です。
先ほどの心のフィルターは、悪い面にばかり目が行くとお伝えしましたが、 マイナス思考の場合は、何でもないことや、プラスの出来事でさえ、マイナスのように捉えてしまう傾向 があります。

例えば、忙しい同僚の仕事を少し手伝ったときに、その同僚から「手伝ってくれてありがとう。いつも仕事頑張ってるよね」と声をかけられたとします。
しかし、マイナス思考の傾向があると、「自分がやったことは大したことではない」「自分の仕事ぶりは頑張っているとは言えない」と考えたりします。

出来事としては、同僚に褒められたという出来事なんですが、それをきっかけに、嫌な気持ちになってしまうんですね。

発達障害 考え方の特徴9選 5:邪推(読心術)

5つ目は、 邪推 です。
読心術などとも言われますが、 誰かの一部の言動を見聞きしたときに、その人はこう思っていると決めつけて、あたかもそれが事実であるかのように考えてしまう傾向 です。

例えば、職場でひそひそと話をしている同僚を見かけたときに、

何か私の悪口を言ってるんじゃないかな・・・
あの人たちと上司は仲がいいから、上司も私のことを嫌っているのかもしれない・・・

と考えてしまいます。

邪推というのは、悪い意味に物事を捉えることなので、良いように受け止めている場合は、これに含まれません。

発達障害 考え方の特徴9選 6:拡大解釈/過小評価

6個目は、 拡大解釈と過小評価 です。
この傾向は、何かについては必要以上に大きく評価をし、別の何かについては極端に小さく考える傾向です。

特に、 人に当てはめた場合だと、自分の悪い点や良くないことを必要以上に大きく捉えてしまい、自分の良い点やうまくいったことについては、大したことがないなど極端に小さく考えてしまいます。
その一方で、誰かの悪いことや失敗などはそれぐらい問題ないと捉え、誰かの良い点や成功などはとてもすごいことだと評価します。

発達障害 考え方の特徴9選 7:すべき思考

7個目は、 すべき思考 です。
これは、 「〜すべき」「常識は〜」「普通は〜」といった考え方をよくしてしまっている傾向 です。

今はあまりないかもしれませんが、「飲み会の一杯目は生ビール」みたいな風潮ってありましたよね。もし未だにこういった考えを持っている場合、一杯目にお茶を頼んだ人がいたら、「普通最初はビールでしょ」「一杯も付き合わないなんて常識がない」と考えてしまいますね。

発達障害 考え方の特徴9選 8:レッテル貼り

8個目は、 レッテル貼り です。
2つ目に紹介した過度の一般化と近いんですが、 自分や他人に対して否定的なイメージのレッテルを貼り、そのイメージを固定して考えてしまう思考パターン です。

例えば、あまり人を褒めない上司がいるとして、その人に対して、「あの人は部下を認めない」と考えたり、「自分たちの働きを何も見ない人」といったイメージをして固定してします。

本当はあまり褒めないというだけで、何度か褒めていることはあると思うんですが、そこには目を向けず、それでも褒めない人だというフレーズで、上司のことを形容します。

発達障害 考え方の特徴9選 9:責任転嫁

9個目は、 責任転嫁 です。
これは何か起きたときに、物事の責任が、 本来責任のない自分のせいだと考えてしまったり、逆に自分に責任があるものなのに、誰かのせいだと考えてしまう思考パターン です。

自分のせいだと考える傾向がある人だと、例えば同僚が何かミスをしたときに、気配りできていなかった自分が悪いんだと考えてしまうかもしれません。

逆に、自分のせいではないと捉える傾向がある場合は、上司への連絡漏れなどがあった際に、「自分ではなく同僚から既に連絡が行っていると思っていました」というように、誰か別の人の名前を出して、その人がしたとか、その人がしなかったと表現します。
こちらについては、【ADHD】話し方に出る特徴13選 前編|大人の発達障害でもご紹介してますので、ぜひあわせてご覧ください。

いかがでしたか?
ここまでは、考え方の特徴9選について紹介をしてきました。
当てはまるものはありましたか?

発達障害 気持ちを切り替える方法

ここからは、気持ちを切り替える方法についていくつかある中のうち、今回は3つ紹介したいと思います。
簡単に言うと認知行動療法と言う気持ちを切り替えるスキルの一部を使用しています。

発達障害 気持ちを切り替える方法1:良いところを見る

気持ちを切り替える方法1つ目は、 良いところを見る です。
特に 心のフィルターの傾向がある人だと、有効な考え方 ですね。

先ほども少し紹介しましたが、全ての出来事には、良い面・悪い面があります。
しかし、障害の有無に関わらず、悪いと思う出来事については、悪い面ばかりが見えてしまいがちです。そこで意識してほしいのが、良いところを見ることです。

例えば、浮気されて別れてしまったという悲しい出来事があったとしても、そのおかげがあって、次の素晴らしい出会いがあるということもありますよね。
・・・ちなみに僕は浮気したことはありません(笑)

発達障害 気持ちを切り替える方法2:目的を考える

2つ目は、 目的を考える です。

例えば仕事をしていると、問題が発生したり、大きなストレスを感じることも少なくありません。
しかし、 その仕事を何のためにやっているのか、その仕事をすることにどんな価値があるのか目的を考えると、目の前にある問題やストレスではなく、その先にある得たい成果や仕事のやりがいに焦点が向かいます。

自分が見る焦点が切り替わることで、気持ちも切り替えることができますね。

発達障害 気持ちを切り替える方法3:事実を確認する

3つ目は、 事実を確認する です。
今まで紹介した責任転嫁やレッテル貼りなどは、全て解釈から物事を捉え、解釈によって嫌な気持ちになります。

解釈とは、物事が起きたときの自分自身の考え方のことです。
この自分自身の考え方自体に癖があることで、あらゆることを否定的に考えがちになってしまっている可能性があります。なので、 解釈から抜け出して、事実で物事を捉えていくことができると少しは気持ちが切り替わる かもしれませんね。

認知行動療法が難しい場合

ここまでは、すぐにできるような認知行動療法を部分的に使用した気持ちを切り替える方法を紹介してきました。

もしかすると、あなたは今までにこういったトレーニングを受けたり本などで 勉強したこともあるかもしれません。そして、 実際にやってみたものの難しく感じてしまい、自分にはこんなことできないんじゃないかと言うふうに感じてしまっている場合もあるかもしれません。

発達障害の方の中には、想像性の特性の苦手さというものがあり、 その影響によって一部分の側面と言うものは想像ができたとしても、 反対側の考え方や他方の見方をするということが苦手な場合もあります。
こういった場合は、認知行動療法を使って視点を切り替えたり、考え方や気持ちを切り替えると言うことが難しくなってしまいます。

何度かやってみたけれど、うまくできないと言う方は、もしかするとカウンセリングサービスなどを使ってみることも良いかもしれません。

まとめ

いかがだったでしょうか?
今回は、発達障害の考え方の特徴9選というテーマでお話をしてきました。

  1. 完璧主義
  2. 過度の一般化
  3. 心のフィルター
  4. マイナス思考
  5. 邪推
  6. 拡大解釈/過小評価
  7. すべき思考
  8. レッテル貼り
  9. 責任転嫁

という9つの思考特性がありましたね。

また、嫌な気持ちを切り替えていく方法として、認知行動療法を使用して

  1. 良いところを見る
  2. 目的を考える
  3. 事実を確認する

をお伝えしました。
あなたはいかがだったでしょうか?
今回の内容は以上となります。

次回は発達障害の生活面の特徴について解説していきたいと思いますので、ぜひ楽しみにお待ちくださいね。

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