こんにちは。
心理カウンセラーのおとうふです。
この記事を読んでいるあなたは、今こんなことで悩んでいませんか?
- 「母親の言動にいつもイライラしてしまう」
- 「大人になったのに、まだ母親に支配されている気がする」
- 「母親を好きになれない自分は、冷たい人間なのかな?」
「育ててくれた親なのに、感謝できないなんて…」
そうやって、自分を責めてしまっている方もいるかもしれません。
でも、はっきりと言わせてください。
あなたが母親との関係に苦しんでいるのは、決してあなたの性格が悪いからではありません。
それは、あなたのインナーチャイルドが抱えている「未完了の想い」と、心の仕組みである「投影(とうえい)」が深く関係しているからです。
そこで今回は、なぜ母親に対してだけ感情的になってしまうのか、その心理的なメカニズムを解説していきます。
「母親を無理に許さなくていい理由」や、心理学的な視点での「母親からの卒業(自立)」についてもお話ししていきますので、ぜひ最後まで読んで、心の重荷を下ろしてくださいね。
今回の記事の内容はこちらで動画解説もしています。
是非ご覧になってくださいね。
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Contents
結論:インナーチャイルドの原因の母親を無理に許そうとしなくていい
まず初めに、あなたに一番お伝えしたい結論からお話しします。
それは、「母親のことを無理に許そうとしなくていい」ということです。
世の中には、
- 「親には感謝するべきだ」
- 「育ててもらった恩を忘れてはいけない」
- 「いつまでも親を恨むのは幼稚だ」
といった常識や道徳観があふれていますよね。
真面目なあなたは、そういった言葉を聞くたびに、
「お母さんを好きになれない私は、冷たい人間なのかな」
「親不孝な娘(息子)で申し訳ない」
と、自分を責めて苦しんできたのではないでしょうか。
でも、心理学の視点から言わせてください。
インナーチャイルドがまだ傷ついている状態で、無理に母親を許そうとすることは、決して良いことではありません。
なぜなら、それは「自分の感情を殺す(新たな抑圧)」ことになってしまうからです。
本当はまだ「悲しい」「悔しい」「ムカつく」と思っているインナーチャイルドに対して、
「そんなこと思っちゃダメ!感謝しなさい!」
と蓋をしてしまうこと。これでは、過去に親からされたことと同じように、今度はあなた自身がインナーチャイルドを否定することになってしまいます。
これでは、癒やされるどころか、心の傷はもっと深くなってしまいますよね。
だからこそ、癒やしのスタートは、自分の本音をただ認めてあげることなんです。
- 「今はまだ、お母さんのことが許せない」
- 「感謝どころか、顔を見るのも嫌だ」
- 「あの時の言葉が、ずっと許せないままだ」
そう思ってしまって大丈夫です。
「嫌いでもいいんだ」と自分に許可を出せた時、初めてインナーチャイルドは「やっと僕(私)の気持ちをわかってくれた」と安心し、本当の意味での癒やしが始まっていくんですよ。
なぜ母親にだけ感情が揺さぶられるのか?(心の仕組み)
「職場の嫌な上司のことはスルーできるのに、母親の言動だけはどうしても許せない」
「普段は穏やかなはずなのに、母親を前にすると、自分でも驚くほど激昂してしまう」
そんな風に、母親に対してだけ特別な感情反応が出てしまうことはありませんか?
実はこれ、あなたの心が狭いからでも、性格が悪いからでもありません。
母親という存在が、あなたの心にとって「特別な鏡(かがみ)」の役割を果たしているからなんです。
なぜ母親にだけ、これほどまでに心が揺さぶられてしまうのか。
ここでは、心の仕組みの視点から2つの理由を解説していきます。
1.【ユング心理学】母親は「最大のシャドウ(影)」の投影
1つ目の理由は、ユング心理学で言う「投影(とうえい)」です。
実は母親という存在は、あなたにとって「最大のシャドウ(影)」を映し出すスクリーンなんです。
シャドウとは、あなたが成長する過程で「こんな自分であってはいけない」と禁止して、心の奥底に封印した性質のことです。
私たちは、この「自分が禁止していること(シャドウ)」を平気でやっている人を見ると、猛烈にイライラするようにできています。
例えば、こんな風に感じてはいませんか?
- ヒステリックに怒鳴る母が許せない
- あなたは幼い頃から、自分の感情を押し殺して「いい子」でいることを強いられてきませんでしたか?
- あなたは自分の中で、「感情をむき出しにすること」を固く禁じているのかもしれません。
- 過干渉でズカズカと踏み込んでくる母が許せない
- あなたは普段、人に迷惑をかけないよう、必死に気を使って生きていませんか?
- あなたは自分の中で、「土足で人の心に入ること(甘えること・依存すること)」を禁じているのかもしれません。
つまり、母親を見てイライラするのは、
「私はそんなことしたくても我慢しているのに、どうしてあなたは平気でやってるの!?」
という、「私だって本当はそうしたかった(けど我慢した)!」というインナーチャイルドの叫びなんです。
母親への怒りは、あなたが自分自身に課している「禁止令」の厳しさを教えてくれているんですね。
2.【インナーチャイルド】「理想の母親」を求め続けている
2つ目の理由は、シンプルですがとても根深いものです。
それは、大人になった今でも、心のどこかで「理想の母親」を求め続けているからです。
「もうあんな親、どうでもいい」
口ではそう言っていても、もし本当にどうでもよければ、無関心になり、感情は動かないはずです。
怒りや悲しみが湧いてくるということは、そこにはまだ強い「期待」があるということです。
インナーチャイルドは、まだ諦めていないんです。
- 「いつかはお母さんも変わるはずだ」
- 「いつかは私の欲しかった言葉(愛)を言ってほしい」
- 「普通の母親なら私を受け入れるのに」
心の奥底で、この「いつかそうしてくれるはずだ」「そうあってほしい」「普通ならこうなのに」という期待を持ち続けている。
だからこそ、母親がまた同じような酷い態度を取った時に、
「なんで!また私を裏切ったの!」
と、古傷がえぐられて激しい怒りが湧いてくるのです。
「わかってほしい」「愛してほしい」という子供の頃の切実な願い(執着)が残っているからこそ、反応してしまうんですね。
【バランスの法則】「毒親」があなたに与えたギフトとは
「あんな酷いことをされたのに、メリットがあるなんて信じられない!」
「感謝なんて、絶対にできない!」
ここまでの話を聞いて、そう感じた方もいるかもしれませんね。
その怒りの気持ちも、もちろんあって当然です。
ですが、ここで「バランスの法則」の視点をお伝えさせてください。
これは、「どんなにネガティブに見える出来事にも、必ず同じだけのポジティブ(恩恵)が含まれている」という法則です。
辛い経験を肯定するのは、今はまだ難しいかもしれません。
でも、事実として、「その母親だったからこそ、あなたが手に入れることのできた能力(ギフト)」が必ず存在します。
例えば、こんな風に視点を変えてみることはできませんか?
- 母親がいつも感情的(ヒステリック)だった場合
- あなたは、いつ怒り出すかわからない母親の元で生き延びるために、必死に相手の顔色を観察してきましたよね。
- その結果、他の人にはない「人の顔色を察知する能力(共感力)」や、場の空気を読む高い察知能力が磨かれたのではないでしょうか?
- 今のあなたが、誰かに優しくできたり、悩み相談に乗るのが上手だったりするのは、あの環境があったからこそです。
- 母親が頼りなかった・過干渉で未熟だった場合
- あなたは、親をあてにできない環境だったからこそ、「自分のことは自分でなんとかしなきゃ」と歯を食いしばってきませんでしたか?
- その結果、同世代の人よりも圧倒的に高い「自分で考えて生きる力(自立心)」や、困難を乗り越える問題解決能力が育ったはずです。
こうして見てみると、母親はあなたを苦しめるだけの「悪役」ではありませんでした。
あなたの中に眠っていた才能や強さを、極限まで引き出してくれた「厳しい鬼コーチ」のような役割も担っていた、と捉えることはできないでしょうか。
僕の場合は、母は忙しいあまり家事が追いついていない時がありました。その寂しさも感じてはいましたが、そのおかげがあったからこそ自分でご飯の準備ができるようになったり、洗濯やアイロンなどの家事もできるようになりました。
また、心理的安全性をあまり感じられない家ではありました。でも、だからこそ「自分一人で経済的に自立して家を出ていきたい」という気持ちが強く、結果として少し辛い会社の環境でも歯を食いしばって働き続けられたのだと感じています。
もちろん、されたこと自体を好きになる必要はありません。
ただ、「あの経験のおかげで、今の私が作られたんだ」と気づき、自分が手に入れたギフト(能力)を受け取れた時。
あなたは「被害者」という立場から卒業し、本当の意味での「精神的自立」を果たすことができるのです。
インナーチャイルドの原因の母親の呪縛から自由になる3つのステップ
母親があなたの人生に与えた影響(メリット)がわかったとしても、現実の母親とどう接していいかわからない、という方もいると思います。
ここからは、あなたが母親の精神的な支配(呪縛)から抜け出し、自由になるための具体的な3つのステップをお伝えします。
ステップ1:「いい子」を辞める(期待に応えない)
最初のステップは、「いい子」を辞めることです。
具体的には、母親の期待に応えるのをやめて、罪悪感を持たずに「NO」と言う練習をすることです。
あなたは今まで、母親が不機嫌になると「私が何かしたかな?」「私が機嫌を直さなきゃ」と必死になってきませんでしたか?
でも、はっきり言います。
母親の不機嫌は母親の問題であり、あなたの責任ではありません。
母親が怒ろうが、泣こうが、それは母親自身が処理すべき感情です。
あなたが自分の人生を犠牲にしてまで、ケアしてあげる必要はないんです。
- 行きたくない集まりには行かない
- 聞きたくない愚痴は「今は聞けない」と断る
- 親の期待する進路や生き方を選ばない
最初は強烈な罪悪感に襲われるかもしれませんが、それは単なる「過去の習慣」です。
勇気を出して「私は私の人生を生きる」と決めることが、自立への第一歩です。
ステップ2:母親を「一人の未熟な人間」として見る
次のステップは、母親に対する「色眼鏡/レッテル」を外すことです。
子供にとって親は絶対的な存在であり、無意識のうちに「親は正しくあるべき」「親は完璧であるべき(神様のような存在)」と思ってしまいがちです。
でも、その期待があなたを苦しめています。
一度、母親というフィルターを外して、「一人の未熟な人間」として観察してみてください。
- 感情のコントロールができない、精神的に幼い人
- 彼女自身もまた、親に愛されずに傷ついてきた、インナーチャイルドを抱えた一人の女性
そうやって客観的に見た時、「なんだ、お母さんも私と同じで、傷ついた弱い人間だったんだ」と気づくはずです。
相手を「神様」から「ただの人間」に引きずり下ろした時、過度な期待や恐怖心はスッと消えていきます。
ステップ3:自分のインナーチャイルドを自分で育てる
最後にして最大のステップは、自分のインナーチャイルドを自分で育てることです。
母親の呪縛から自由になれない一番の原因は、「お母さん、愛してよ!」と外側に求め続けていることです。
でも、残念ながら、ないものはもらえません。
自分以外の誰かはコントロールできないからです。
だからこそ、これからは大人のあなたが、自分のインナーチャイルドの「理想の親」になってあげるんです。
- 母親に言ってほしかった言葉を、自分で自分にかけてあげる
- 母親にしてほしかったように、自分を大切に扱ってあげる
「お母さんはくれなかったけど、今の私には『私』がついているから大丈夫」
そうやって自分自身で心を満たせるようになった時、あなたは本当の意味で、母親という鎖から解き放たれて自由になれるんですよ。
まとめ
いかがだったでしょうか?
今回は、インナーチャイルドと母親の関係、そして「毒親」や「投影」の正体についてお話ししてきました。
- 母親を無理に許さなくていい
- 母親は自分の禁止していること(シャドウ)を映す鏡
- 母親は自分の能力を磨いてくれたトレーナー
これまで「親を愛せない自分」を責めてきたあなたにとって、少しでも心が軽くなるヒントになれば嬉しいです。
母親との葛藤は、あなたが誰かの期待に応える人生を卒業し、「自分らしい人生」を取り戻すための最終試験のようなものです。
だからこそ、焦る必要はありません。
許せない自分を責めず、まずは「今までよく耐えてきたね」と、あなた自身を一番に抱きしめてあげてくださいね。
親を変えるのではなく、自分の「見方」を変えて自由になりたいあなたへ
とはいえ、頭ではわかっていても、長年の親子関係の癖を一人で直すのは難しいものです。
- 「母親との境界線の引き方がわからない」
- 「NOと言おうとすると、どうしても罪悪感が出てしまう」
- 「親と離れても、支配されている気がする」
もし、そんな風に一人で悩んでいるのであれば、ぜひ僕が運営している「見方の学校」の無料メールマガジンを読んでみてください。
ここでお伝えしているのは、他人(親)を変える方法ではありません。
あなた自身の「見方(捉え方)」を変えることで、どんな環境でも自分らしく、自由に生きられるようになる方法です。
親への執着を手放し、インナーチャイルドを自分で満たせるようになれば、あなたの人生はもっと鮮やかに輝き出します。
そのお手伝いができれば嬉しいです。
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次回も、あなたの心がホッと軽くなるような情報をお届けしますので、楽しみにしていてくださいね。
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